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雑賀孫市 〜捨て旗の術〜

夜が明け申した。
月曜日は憂鬱でござるな。。

さ、次の問題は拙者の好きな戦国時代にまつわる問題でござる。
戦国時代が一番忍者が活躍する時代。
拙者、ワクワクしてきたぞ!

第5回忍者検定中級 第6問(配点:1点)
===================================================
和田惟政の援軍が来た、と喜んだ織田信長が、雑賀孫一率いる雑賀衆に一斉の
銃撃を浴びせられ、そして先の尖った青竹を仕掛けられて信長軍は散々苦しめられた。
さて、雑賀衆のこの戦術とは何の術か。

①呑牛の術
②捨て旗の術
③微塵隠れの術
④水切りの術
===================================================

来ましたよ、雑賀孫市。
信長の野望では「鈴木重秀」という武将となっているが、呼び方については諸説ある。
ここではおそらく一番有名であろう雑賀孫市とお呼び奉ろう。

巷では忍者集団だったのではないかとも言われる雑賀衆は、紀伊(今の和歌山)にを本拠地とした鉄砲集団である。
特定の大名に仕えるのではなく、合戦が始まれば、対価をもらって合戦に参加する傭兵集団だった。
当時は「雑賀衆を味方にすれば必ず勝ち、敵にすれば必ず負ける」とも言われるほど、実力のある団体だったようだ。
この雑賀衆を率いる頭領が、雑賀孫市でござった。


この頃、室町幕府15代将軍、足利義昭の上洛を成功させ、着実に力を付けていた織田信長がいた。
しかし、織田信長と足利義昭との間に確執ができて不仲となってくると、ついに足利義昭は、信長の周囲の有力武将(武田、上杉、朝倉、毛利、本願寺軍などオールスター!)に、信長討伐令を出したのだった。
これに呼応する形で、一向宗(浄土真宗)の顕如上人率いる石山本願寺軍も信長に対して挙兵する。

孫市は、実は熱心な一向宗の教徒であり、このときの本願寺の援助を買って出た。
そして、自慢の鉄砲隊を率いて4万にもなる大量の織田軍に向かって銃撃し、宣戦布告した。
これがこの後約10年続く、石山合戦の始まりである。





開戦した日の明くる朝。辺りは霧に包まれている。
信長は中津川の湿地帯に布陣していた。

信長「ふ〜む、あの雑賀衆が向こうについたか。これは厄介よの。。。」

と策を練っていると、川の向こうから織田軍の家臣、和田惟政の三ツ星の旗が見え、こちらに向かってきているではないか。

信長「おぉ!惟政の奴、援軍をよこしおったか!でかしたぞ!」

と喜びに顔が崩れた瞬間!

なんと一瞬にして三ツ星の旗が地面に捨てられ、八咫烏の描かれた旗に変わったのである。

信長「こ、、この八咫烏の旗は。。。 雑賀衆!!!??」

気づいたときは既に時遅し。

パパパパパパパーーーーーン!!!!!!!!!!

と銃声が鳴り響き、逃げ場のない信長軍は大ダメージを被った。

これが世に言う「捨て旗の術」である。

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回答:②捨て旗の術
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どうやら霧の向こうでは、奇襲に成功した雑賀軍が身を隠している音が聞こえる。

信長「よくも・・・一泡吹かせてくれるわ!」

織田軍は中津川を渡って雑賀軍に突っ込んでいった。

だがおかしい。

織田軍方の馬や人が皆、川の中で倒れ、もがき苦しんでいる。。

!!! こ、これは・・・!
川の中に先を鋭く尖らせた青竹が仕掛けられている!!!

これにより織田軍は渡河するにも苦戦を強いられた。

辺りにはまだ霧が立ちこめている。

やっとの思いで織田軍が向こう岸に着いたところ、まだ何人かの雑賀衆の兵が残っていた。

信長「くははっ!隠れきれなかったか・・・食らえ!」

と、一斉に槍で刺し、刀で斬り、弓で射ったところ・・・

その兵は、青竹に足軽具足をつけた偽の兵であったという。





臨場感が出るかと思って、ちょっと小説テイストにしてみました(笑)

この多重のゲリラ戦法は本当に素晴らしい。
諸葛亮孔明もびっくりなのではないか。

ただ、これは忍術というよりは、完全に戦における軍法であると思ふ。
雑賀孫市忍者説もあるが、拙者はどうもその説には乗れない。
孫市が使う「土遁の術」というものもあるが、忍法というよりは、これも合戦で使う軍法であると考えている。
忍法と軍法の違いは、この定義で合っているかはわからないが、以下のようなものだと思ふ。

 忍法=個人や少人数チームで使用する法
 軍法=一定人数から組織される隊を統率する指揮官がおり、その指揮に基づき行う法

サッカーでいえば、忍法は1対1のときのフェイント、軍法はフリーキックなどのセットプレーといったところかな。。


最後に、それ以外の選択肢についても軽く触れておこう。
機会があればまた詳しく記すつもりでござる。

①呑牛の術
加藤段蔵(飛び加藤)が、上杉謙信の居城、春日山城の城下で見せた牛をひと呑みにしてしまう術。
おそらく幻術の類いであろう。

③微塵隠れの術
これは白戸三平の「サスケ」が使う術で、洞窟の中に予め爆薬を仕掛けておき、敵をおびき寄せて爆発させ、自分は穴を掘って身を潜めるという大技。
自分は死なないメガンテのようなものである。

④水切りの術
加賀の兵法者、草深甚四郎という者が使った術で、桶に張った水を小太刀でピッと斬ると、遥か後の方を歩いている男がまっぷたつに両断されて息絶えるという遠隔殺法のような術。
(ホントかよ・・・)


あ、、ちなみに、孫市が旗捨ての術で使用した旗の持ち主「和田惟政」。
実はこの武将も甲賀出身の忍者という説があるのでござる。
また別の機会にご紹介いたそう。

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POISON 〜誰も看病してくれないこんな世の中じゃ〜

せっかくの週末だというのに、拙者、風邪をひき申した。
本日は自宅で安静に。
独り暮らしで風邪をひくと、なんだか無性に心細くなるので変なタイトルにしてみたでござる(笑)

忍者は、医療のための薬、暗殺のための毒などの研究もしており、火器の製造も含め、化学に関する知識が非常に豊富であった。
拙者も風邪薬を作れるようになりたいでござる・・・

薬にはもちろん副作用もあり、用法・用量を守らず摂取すれば、身体に毒だ。
「毒と薬は紙一重」といわれる所以である。

忍者は、毒を盛られても毒にかからないよう、毎日少しずつ毒を摂取して身体を毒に慣れさせたとも言われている。
毒をもって毒を制すとはまさにこのことでござる。
(Mやなぁ。。。)

薬でも毒でも、作るには「どの植物に毒成分があるのか」の知識が必要不可欠である。
そんな知識を問うた一問。


第5回忍者検定中級 第5問(配点:1点)
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「毒と薬は紙一重」とはよく言ったもので、毒薬の代表はトリカブトだが、
美しい花の中にも、葉に毒を持っているものがある。
その花は次のうちどれか。

①菊
②タンポポ
③葛
④紫陽花(あじさい)
================================================

全然関係ないが、前半で「毒と薬は紙一重とはよく言ったもので」とあるが、これは正しい用法なのだろうか。。
冒頭で言った通り薬の部分がないと紙一重にならないし。。
「美しい花 → 目の保養 = 薬」という意味だろうか?
これは試験委員としては「上手いこと言ってやったぜ」というものなんだろうか?
「綺麗なバラにはトゲがある」ならわかるんだけど。

なんかロジカルじゃないしわかりづらいので、普通に「忍者は毒の知識も必要である」みたいな前置きでいいんじゃないかな。。

申し訳ない。逸れました。


これは単純に知識問題であろう。

菊、タンポポ、葛は普通に食用として膳に添えられることはあるため、死に至るような毒は入っていない。
(一応調査しているが、アクなどには有害なものもあるはず。食べるときは自己責任で!)

この中でひとつだけ、紫陽花に関しては、毒による被害について過去ニュースにもなっており、厚生労働省から注意喚起まであるくらいだ。

http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/higher_det_01.html

ついこの間も、鎌倉などの紫陽花が見頃で盛観であったが、皆の衆も綺麗だからといって食べてはなるまいぞ!
(食べないかw)
=========================
回答:④紫陽花
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(エンディングテーマ)
いつまでも寝ていたい
治るまで寝続けていたい
自分には休む意味があるはずさ

冷めたシートおでこ貼る
魂は抜ける寸前
熱を下げる薬はあるのかい?

誰も看病してくれないこんな世の中じゃ POISON
拙者は拙者を騙すことなく生きて行く OH OH

まっすぐみつめる天井から
誇りが落ちてくる
換気することも必要なのさ

でーでれでー・・・



またも申し訳ない。。
治ったらアホなことを言ってないで
Great Ninja Takamaru (GNT)
を目指すために頑張りまする!

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THE・秘密を暴露した男

自分には珍しく3日連続でブログ更新しているでござるっ!!
このあと坊主にならないことを祈るぞな。。

では逝きましょう、3問目。

第5回忍者検定中級 問3(配点:1点)


1789年大原数馬、上野八左衛門によって幕府に献上され、
今も国立公文書館に残る忍術秘伝書は何か。

①忍秘伝
②萬川集海
③忍術應義伝
④正忍記



設問にあがっている選択肢のうち、必ず覚えておきたいのが①②④じゃ。
この3つの秘伝書は、「忍術三大秘伝書」と呼ばれる。

拙者は去年、「萬川集海」の第4巻〜陽忍編〜の現代語訳版を一万円近く出して購入した。
Amazonマーケットプレイスで購入したので中古だったのだが、
鉛筆でなにか書き込みされていたのがショックでござった。。
「正忍記」「忍秘伝」もAmazonで買ったのだが、これは漢文の白文で書いてある代物であった。。
い、意地でも白文を読めるようになって、原文で読んでやるさ・・・畜生。。

各秘伝書の内容は今後研究していくとして、この問題のポイントは「幕府へ献上した」というところ。
そう、江戸時代も後期にさしかかった1789年、大原数馬と呼ばれる甲賀忍者が、
これまで秘密の中の秘密とされてきた忍術書を、なんと幕府に献上したのだ!
しかし、この行動にはちょっとむなしいエピソードがあるのでござる。
今回はそこにフォーカスを当てるとしよう。

この大原数馬という者、甲賀忍者の中でも特段権力を持つ「甲賀二十一家」に名を連ねていた。
江戸幕府が開かれてからというもの、甲賀忍者は、江戸では門番などの仕事しか
やらせてもらえず、やる気をなくして忍者をやめしまうものが後を立たなかった。

大原数馬は、誇り高き忍びのこのような仕打ちを憂れいでいたご様子。
せめて甲賀の地は、自分たち忍者が治めたい。
(当時の甲賀近辺の藩主は、加藤家などであり忍者にあらず)
うぅぅ。。。。このままじゃご先祖様たちに顔向けができぬ。。

・・・そうじゃ!
どうせ今や使われない忍術ならば、暴露して、その代わりに2〜3万石いただこう!

ということで、約1世紀前に伊賀忍者の藤林保武が綴った最大の忍術書
「萬川集海」を幕府に献上することと引き換えに、領地をくれるよう嘆願した。

そこで寺社奉行の松平輝延、
「いや、そんなの無理だから」
そう言って褒美として銀5枚を持たせてくださった。

がびーん。。orz

そんな流れで大原数馬の悲願は届かず、しかも秘中の秘伝書を世に露呈させたのである。

ということで


回答:②萬川集海



拙者は、大原氏がこのような行為をしてよかったかどうかと考えると、
結果的にオーライだったのではないかと思っている。
きっとこの行為がなくても、平和を目指す時代の流れには逆らえず、
忍者はそのままの地位を保つことはできなかったであろう。

だが、このとき大原数馬が幕府に献上した忍術書は、結果として
忍者が存在したという事実を闇に葬ることなく、今の拙者達でも認識できるように
足跡を残してくれているのだ。
そのまま誰にも知られることがなく消滅したならばそれは忍者っぽくて格好いいが、
そ乃場合は拙者は忍者というものを知らずに生きていたかもしれないのである。

そういった意味では、大原氏のおかげということも考えることができよう。


あ!
そういえば、このブログの名も「万川集海」。。。
ということは、、遠い未来、誰かに献上されるのではなかろうかっ!笑


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【忍者検定研究】不道心

さ、次の問題に参りますぞ。

第5回忍者検定中級 第2問(配点:1点)


忍者は、「恐れ・侮り・考え過ぎ」の三つの病に注意すること。
何事にも影響されない鉄壁の心が必要とされる。
その心とは何か。

①質実剛健
②大言壮語
③一刀両断
④不動心



こ、これはなんか忍者の知識うんぬんの前に、完全に日本語の問題として片付けることができるでござるな。。

「その心とは何か」という問いに対して、①〜③の四字熟語は、全て「心」がなんたるかを説明するものではなく「行為」や「態様」のことを指しているではないか。
ってか最後に心って付くの、④だけだし。。           
   

①質実剛健=飾りけがなく真面目で、たくましく、しっかりしているさま。→態様
②大言壮語=おおげさに言うこと。できそうにもないことや威勢のいいことを言うこと。→行為
③一刀両断=太刀でモノを真っ二つに裂くように、物事をスパッと解決すること。 →行為

よって解を導くという意味では、容易な問題であろう。


回答:④不動心



では、忍者の三病とは何か。
忍者は、設問のとおり「恐れること」「相手を侮ること」「考え過ぎること」は病気とされていた。
しかるに、常に隙のない、揺れ動くことのない心を持ち合わせること、すなわち「不動心」が必要不可欠だと言われている。

「恐れること」が何故いけないか。
例えば、強大な敵を前にしたとき、その相手には自分ではどうしたって勝てないし逃れられもしないと思ったらどうなるであろうか。
必要以上に相手や未知の事項について恐れをなしていると、その恐れは全身を蝕み、身体を硬直させる。
そうしてパフォーマンスを下げ、または全く発揮できなくなり、着実に死へと一歩近づいてしまうのである。

この病気への特効薬は、決して誰にも負けないように鍛錬を積むもしくは工夫を凝らすか、または、相手との力の歴然とした差を知り、ただ逃げることのみを考えるようにすることである。
忍者は相手に勝てなくてもよいのだ。
どんな卑怯な手段を使ったって、ただ任務さえ全うすればよいことを第一に考えるべきなのである。
さすれば、恐れは自ずと去って行くのでござる。


「侮ること」すなわち慢心も、自分の身を危険に晒す、非常に危険な病気である。
相手方の力量も図らずに、あるいは見誤って、見た目などの上っ面等で判断し相対することは、非常に危険である。
その外見は見せかけの虚であるかもしれないし、人間にはいざという時に底力を発揮するので、何をしでかすかもわからない。
油断せず、事に臨むことが肝要でござる。

「考え過ぎること」も自らの心、身体を硬直させる病気である。
考えすぎることによって、意思決定が遅れ、意思決定が遅れれば当然身体の反応も遅れてくる。
そうしているうちに、戦況はどんどんと変わって行き、考えているうちにやられてしまうことがある。

いざという時に考えすぎず、自然と身体が動くようにするには、やはり経験とあらゆる場面を想定した鍛錬、シミュレーションが必要である。
結局は「こうなった場合にはこう動く」という、様々なパターンに対応する術を知っていれば、想定外の事象というものがなくなり、予め定めた解のとおり対処することができる。
そのため、シミュレーションを行うにあたっては、考えすぎてもよいと拙者は思う。
いざという時に瞬時に判断することができるように。


以上より、不動心は、鍛錬や周到なシミュレーションを継続して行う者のみが、養えるものなのではないだろうか。
正確な知識と経験に裏付けられた自信が不動心を作るのである。

な、なんか凄く硬いエントリになってしまったでござる!笑

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