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忍者×小説家×学者のトークショーに向けて! 〜忍びの国〜

おそらく、現代の忍者に興味を持つ者ならば1度は手にしたことがあるはずの小説。きっといろんな人のブログでも腐る程紹介されているでござろう。
拙者の中ではおそらく一番のお気に入りの忍者小説!

【和田竜「忍びの国」新潮社】




「のぼうの城」を読んでからというもの、和田先生の作品にどっぷりはまってしまった拙者。
記念すべきこの2作目がもう5年も前に発売され、飛びつくように購入したのを覚えている!

なぜまたこれを読み直そうと思ったかというと。。。

何と来週の土曜日、和田先生とあの川上先生が忍者を舞台にトークショーを行うのだ!!
サインペンを購入したりと、拙者の浮かれ具合が半端ないw

この「忍びの国」は、天正に起きた「第1次伊賀の乱」が舞台。
織田信長が次男、織田信雄が伊賀に攻め込み、これを返り討ちにしたという史実に基づく歴史小説なのでござる。

織田軍には織田信雄をはじめ、日置大善、長野左京亮、柘植三郎左衛門などの登場人物がおり、これらの人物はすべて「伊乱記」などの古典にもしっかりと名が残る由緒正しき武将たちである。
ストーリーの中では、これらの武将たちが古典の中でどう書かれていたのか原文を持ち出し、それを解説し、上塗りして装飾するような手法をとっている。
古典の記録ってだいたい味気ないのに、そのわずかな手がかりから実に魅力的な人物設定や出来事の表現を行う技術は、本当にすごいと感嘆せざるを得ないですな。。

特に日置大膳の「武士の中の武士」を思わせるあの実直さは、心うたれたものも多いのではなかろうかっ!
拙者も信雄と大膳のやりとりにはいつもうるっと来てしまう・・・
ちなみに我が一族の頭目は、日置大膳が好きらしいですw


そして忍者方は、おなじみ百地三太夫率いる伊賀の忍び勢。
百地といえば必ず出てくる石川文吾(後の五右衛門)もやはり登場する。
(今平行して村山知義の「忍びの者」を読んでいて若干かぶる・・・)

「忍びの国」では、忍者たちの描き方がとても秀逸で、人を騙すことをなんとも思わない習性や、金のためにしか動かない露骨さなど、上忍から下忍に至るまで、普通に考えると嫌なやつばっかりw
知名度を上げるためにわざと小競り合いを起こして、自分の息子を殺させるなど、通常では考えられないことを平然とやってのける。
でもこれも伝わる忍者像を忠実に再現しているだけであり、それらの根拠は「萬川集海」など、すべて資料の裏付けをとって解説されている。

この作品は、半分は伊賀の乱に至るまでの騙し合い、謀略の応酬がメインとなっていて、忍者という者が本当はどういう者で、どのような考えをもっていたのか、非常にイメージしやすい作品になっていると思われるぞよ。

主人公の「無門」という男は創作なのだと思うのだが、この男がいることで忍者の何たるか、人間としてどう生きていくのか、を教えられ、考えさせられるのでござる。
また、武士 vs 忍者の構図は、設定としてそうそうないので、自分が武士派なのか、忍者派なのかを見分けるいいきっかけとなるであろう。

大体の忍者関連のストーリーって、主人公や重要人物が忍者の生き方に疑問を持ち、悩み、裏切り、狙われる、というものが多い気がする。
小説でも漫画でもゲームでも。
忍者が謀略、破壊活動的なことばかりやってきたから、どうしてもそのようなテーマ設定になるのだろう。
とても苦渋が強いられる役回りだが、誰かがやらなければならない仕事だし。
掟と信条とのジレンマはきっと忍者にとって永遠のテーマだったのでござろうな。

この辺の設定の裏話とかは、今度の土曜日にお聞きできるのかな!
今から楽しみでやんす。
もしトークショーで先生とお話しすることができれば、どうやって資料収集や解読を行ったのかをお伺いしたいでござる!


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