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忍小説といえばやっぱコレ! 〜梟の城〜

先週くらいから読んでいた司馬遼太郎作品「梟の城」、先ほど読み終わり申した。
すっげー今更感っ!!w
映画は見たことがあるのだが活字は読んだことなかったのでござる。

【梟の城(司馬遼太郎)】



今まで何冊かの忍者小説は読んで来たが、この作品は、忍者小説の中でも群を抜いて深く忍者に対する研究や考察がなされていたと感じた。
伊賀忍者、甲賀忍者の歴史から生態から、拙者が研究したものもあれば知らないことも出てくる。
さすが司馬先生でおわす。

他の忍者小説って、とりあえずバシバシ手裏剣投げるわ、奇想天外な忍術は出てくるわでファンタジーチックなものが多いのだが、この司馬作品では手裏剣も一回しか出てこないし、人並みはずれた忍術もない。
そういうエンターテインメントではなくて、忍びという職業、いや、忍びという生物がどのような生き様で生きているのか、非常に深く魅力的に描かれていた。
武士と対比もあったが、はっきり言って下請企業の生き方を沿っているようなイメージすら覚えたでござる。

拙者も
「なぜ忍者が好きなんだっけ?」
というのを深く考えてしまったでござるよ。

仮に戦国時代に生まれていたら、忍者として生きたいと願ったであろうか。
誰に褒められるでもなく、与えられた任務だけを確実にこなす。
それが盗みや殺人など胸くそ悪い仕事であっても。

忍者ってそうだったんだよ、って言うのは簡単だが、自分が仮にそのような境遇に立ったとき、年老いるまでその因果に耐えられるのであろうか。。
そんな深い思案をしてしまう作品でござった。
そういった意味では、拙者は重蔵のライバル、風間五平にこそ共感を覚えたな。

結局考えた結果、おそらく自分だったら忍者という道は選ばないだろうという結論に至った。
明らかに人間の限界に近づいた所業をやり遂げる仕事だし、相当な覚悟と使命と訓練が必要である。
おそらく自分には無理であろう。

でもだからこそ、憧れ、惹かれるものがあるんだと思う。
地位とか名誉とか名声とか報酬とかそう言うのを抜きにして、ただ自分が修練してやってきたことのみを信じて、その力を頼りに、人が欲することをやってのける。
これこそ、徳のある生き方ではないのか、と考えてしまうのである。
拙者もそのように生きたい。
名誉とか欲しちゃうけど、誰も知らないところで動いて、結果として誰かのためになるような働きをしたいでござる。

忍者を志す者としては、絶対に読んでおこう!!!
ってかこんなベストセラー、別に忍者好きじゃなくてもだいたい読んでるかw

今大量に忍者関連本を積んであるので、コレから書評もぼちぼちアップしまする!


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